ファイン・チャットは「簡単、安心」なコミュニケーション装置です。
シンプルで小さな装置ですが、この中には「言葉を綴る」ためのたくさんの工夫が備わっています!そのいくつかを、ご紹介します。
- 1. 文字板を交換しないで 他の文字板の言葉を入力する
- 2. 文字板に表記のない文字の入力
- 3. オリジナル文字板を活用する
- 4. カーソルを使う
1. 文字板を交換しないで 他の文字板の言葉を入力する
固定文字板の「ひら/カタ」「あいさつ」「体調」「オリジナル」の枠を選択することで、各文字板に入れ替えた状態で入力することができます。
固定文字板に、各文字板と同じ名前の入った枠があります。この枠を選ぶことで,どの文字板が入っていても、選んだ枠の文字板が入っている時の動作をします。これにより、文字板を交換しなくても、全ての文字板の言葉が入力できます。
例として、【ひらがな】の文字板が入っている状態で【あいさつ】の文字板の「ありがとう」を入力してみましょう
操作1
それでは文章を入力しましょう。
文字板は【ひらがな】を入れておきます。(どの文字板を入れていても操作は同じです)
本体の主電源(青のボタンの下のグレーのスライドスイッチ)が「切」になっている場合はを支援者に「入」にしてもらいます。(この作業だけは支援者に行ってもらうことになりますが、通常、このスライドスイッチは「入」にしたままで大丈夫です)
本体に接続した入力スイッチをしばらく(約0.5秒)すと、起動音と同時に液晶画面が明るく点灯します。ここでもう一度入力スイッチを押すと、ファイン・チャットの文字板が、ブロックごとに順に光ります。
※保存した文章がある場合はその文章を読み上げます
操作2
まず「あいさつ」の枠を選択して、【あいさつ】の文字板が入っている時の文字を選択できるようにします。一番左のブロック♪「操作」のブロックが光った時に入力スイッチを押します。そして、左ブロックの2列目♪「ひとつけす(一消)」を押して、上から3番目の♪「あいさつ」を選択します。すると、「あいさつ」という音声が流れ、あいさつの枠が赤く点灯したままになります。
この状態で、ファイン・チャットは「あいさつの文字板」が入っていると認識されます。
これで、「あいさつ」の文字板が選択できるようになります
操作3
あいさつの枠が赤く点灯した状態で、スキャンの音声は「あいさつの文字板」が入っているときと同じになります。同時にその時に入力できる文字の候補が音声と液晶画面の右下の表示で示されるので、どの文字が入力できるかがわかります。ファイン・チャットに慣れてくると、どこにどの文字が入っているか覚えてしまう方が多いです。
それでは「ありがとう」を入力していきます。「ありがとう」の文字は【ひらがな】の文字板でいうと、「い」の場所にあります。なので、「い」の場所を選択して「ありがとう」の文字を入力してみましょう。
入力スイッチをおしてブロックを選択します。真ん中のブロックで入力スイッチを押して、1列目♪「はい」の列で入力スイッチを押し、♪「はい」→♪「ありがとう」と音声と光で送ります。2番目の♪「ありがとう」の時に入力スイッチを押します。すると「ありがとう」が選択され、液晶に「ありがとう」の文字が入力されます。
液晶画面の文章を読み上げるときは、同様に「発音」を選択します
動画で見る基本操作
操作1~3までの一連の動作を動画でまとめました。
「体調」「オリジナル」の枠を選んだ場合や、【あいさつ】【体調】【オリジナル】の文字板が入っているときの「ひら/カタ」の枠を選んだ場合も、同様の手順で選択した文字板の固定、解除ができます。
2. 文字板に表記のない文字の入力
■数字を入力する
固定文字板の「数字」を選択することで、数字を連続して入力することができます。
液晶の上の部分にはカーソルの部位を中心に2行分だけ文字が表示されます。
入力スイッチを押すと下2行分の数字が順番に色が反転します。
入力したい数字を選択すると上の文章のカーソルの部分に数字が入力されます。
数字の選択を終了するときは「戻る」を選択します。
■文字板に表記されていない文字を入力する
固定文字板の 「ひら/カタ」「あいさつ」「体調」「オリジナル」 のいずれかの枠を選ぶと枠が点灯します。その後、固定文字板の
「カーソル」「リモコン」の列を選択すると、別の文字、単語などを入力することができます。
3. オリジナル文字板を活用する
固定文字板の「オリジナル」を選択した場合には、30分割のオリジナル文字板として使用できます。
さらに、ファイン・チャットのオリジナル文字板は、分割数を2分割から30分割まで6種類に設定することができ、ファイン・チャットに入力できる言葉や、操作機能を保存できます。
意思伝達装置として、ひらがなを使った文字入力だけではなく、それぞれの方の生活状況にあった、文章や単語、イラスト等を選択できるようにすることで、より便利なコミュニケーションツールとして利用することができます。
例えば、最初は30個の選択肢から選択することが困難な場合でも、オリジナル文字板の分割数を少なくして選びやすくすることができます。
操作1 オリジナル文字板の分割数を選択する
●オリジナル文字板は分割する数によって作成できる枚数が異なります。
(2、6、9、15分割は 2 パターン、4 分割は3パターン、30 分割は 1 パターンのみ)
●例えば4分割の文字板を3パターン作成し、「テレビを見るとき」「食事のとき」「外出のとき」などのシーンに応じて、各枠に別々に保存することができます。利用者の状況に応じて、分割数を下記の6種類(2分割、4分割、6分割、9分割、15分割、30分割)から選んでください。
●オリジナル文字板の「白枠」へのシールの貼り方を変えることで分割数の設定を変更できます。
●同じ分割数の文字板を複数のパターンで作ることができます。(30分割を除く)
文字板裏面へのシールの貼り方を変えることで、2分割、6分割、9分割、15分割は2パターン、4分割は3パターンまで作成できます。
操作2 黒シールを貼る
設定したい分割数に合わせて、オリジナル文字板の裏側に付属の黒シールを貼ります。
■オリジナル文字板の分割数と白枠への黒シールの貼り方
※60分割の文字板をセットすると、設定にかかわらず環境制御専用の動作となります。文章の保存はできません。この文字板をセットすることで「環境制御機能専用機」として使うことができます。
(3-8家電リモコン(環境制御)機能を参照してください)
操作3 選択した分割数に対応した罫線を引く
●選択した分割数に応じて、表オリジナル文字板の分割数と白枠への黒シールの貼り方」を参照しながら罫線を引きます。
●罫線はオリジナル文字板の表側、裏側のいずれにも引くことができます。
操作4 各枠へ文字の記入またはイラストや写真を貼り付ける
●分割したそれぞれの枠に保存したい項目を描きます。項目は「文字」や「イラスト」を油性ペンで描くことができます。
●また、透明のシートで「裏面がシール、表面はインクジェットプリンターで印刷ができるタイプ」のものを使えば、支援者が描いたイラストや撮影した写真を印刷して貼ることでも、簡単にきれいな文字板を作成することができます。
なお、透明シートは家電量販店などでお買い求めください。
操作5 対応する言葉を保存する
作成したオリジナル文字板の各枠に対応する言葉を保存します。
①【ひらがな】【あいさつ】【体調】の文字板をセットして、保存する文章を作成します。
(例)
ひらがな文字板を使って
カタカナで「アイスクリーム」
と入力する
②分割数の設定が完了した「オリジナル文字板」に交換します。
この時、 【ひらがな】【あいさつ】【体調】のいずれかの文字板がセットされたままだと
【オリジナル】の文字板は30分割となります。
(例)
15分割の文字板の
3列目3行目の枠に「アイスクリーム」
と保存する
オリジナル文字板に保存した文章を消去するときは液晶画面に何も表示されていない状態で上記保存方法を行うことで文章を消去できます。
●オリジナル文字板に文章を保存する場合は、支援者の方が「文章保存モード」(取扱説明書32ページ参照)を使って本体の複数のボタンを使って文字入力と保存を行うことで、より早く文章の作成と保存ができます。 ●オリジナル文字板はお客様自身でアクリル板を用いて作成することも可能です。追加のオリジナル文字板も販売していますので、お買い上げの販売店へお問い合わせください。 ●保存機能操作の途中で、無操作が1分間続くと「あと〇秒入力が無ければ通常動作に戻ります」の表示が出て警告音がなります。さらに無操作が20秒間続くと自動的に通常動作に戻ります。 |
4. カーソルを使う
カーソルは通常、次に文字が入力される場所のところで点滅しています。
この状態で文字を入力や「一消」を行うときの動きを説明します。
●カーソルは常に点滅しています。
●次に文字を入力すると、このカーソルの位置に入ります。
●「一つ消す」を選択するとカーソルの手前の文字(群)が消えます。
(この場合は「ありがとう」は単語として入力しているので「ありがとう」の5文字がまとめて消えます)。
文章の途中の文字を修正するときは、カーソルの移動の機能を使います。
カーソルを文章の途中に移動したときの動きを説明します。
(例)カーソルを2行目の中央「は」と「い」の間に移動した場合
●「は」の文字の右半分と、「い」の文字の左半分が点滅してます。
●次に文字を入力すると「は」と「い」の間に文字が入ります。
●「一消」を選ぶと「は」が消えます。
カーソルの移動
固定文字板の「カーソル」を選ぶと、起動音が鳴り、
文字板のLEDで方向を示しながら、カーソルの移動方向を
読み上げます。
移動させたい方向が示されているときに入力スイッチを押して
カーソルを移動させます。
カーソルの移動が完了したら「戻る」を選択して文章作成に
戻ります。
選択肢は「左、上、右、下、最初、最後、終了」の7つで、
音声ガイドとLEDの矢印で示されます。
繰り返し